こんにちは。MARIA LILYです。前回のこちらの記事に引き続き、
【LGBTQ 真の平等を目指して】 アン・ハサウェイ 感動のスピーチ全文和訳
今回も、ジェンダーや偏見、不平等について取り上げたいと思います。Nas Dailyさんの、こちらの動画をご覧ください。たった1分間の動画です。
🎥「Women VS. Men」
Hi! I’m a man.
こんにちは! 私は男性です。
and I’m a woman.
私は女性です。
and after traveling to 60 countries around the world
そして、世界60カ国を旅した後に
here is what we learned.
私たちが学んだことです
For men like me we can wear whatever we want
私のような男性は、好きなものを何でも着ることができます
we can go wherever we want
どこへでも行きたいところに行くことができます
Whenever we want.
いつでも好きなときに
day or night No Problem.
昼でも夜でも、問題ありません
For a women like me we can’t wear whatever
私のような女性は、好きなものを何でも着れるわけではありません
“She looks like a prostitute!”
“彼女は売春婦のように見えます!”
We can’t walk wherever or whenever
私たちは、いつでも、どこでも、歩けるわけではありません
“You might get raped!”
“レ○プをされるかもしれません!”
“It’s too dangerous at night for women”
“女性にとって、夜は危険すぎます!”
This is not just us
これは、私たちだけではありません
This is the life of billions of women around the world.
これは、世界中の何十億人もの女性の生活です
in rich countries and poor ones who are still treated differently in the eyes of society at workplace and even in the eyes of their parents.
豊かな国と、貧しい国で、女性は、社会的にも、職場の中でも、また両親の目からさえも、異なった(差別的な)扱いを受けています
In many countries parents are much strict on their daughters than they are on their sons.
多くの国の親は、息子よりも、娘にはるかに厳しいです
Travel has taught us that gender inequality is a global problem.
旅は、「ジェンダーの不平等は、世界規模の問題である」ことを、私たちに教えてくれました
And you don’t need 60 countries to know this.
そして、あなたは60カ国も知る必要はありません
Just look outside your window and see how much work we have left to do.
あなたの窓の外を見てください。そして、どれだけの仕事が残っているか、見てみましょう
動画はここまでです。
ジェンダーについて、各々に、様々な考え方やご経験があると思います。そして私の考えや経験について、今日は少しお伝えしたいと思います。
私がジェンダーについて考えるきっかけをもらったのは、一つは、大学生のとき。授業の中で、ジェンダーについてディスカッションをする機会がよくありました。
もう20年も前のことなので、今ほどジェンダーが話題にのぼることも少ない時代でしたが、LGBTについても「トランスジェンダー」を論文のテーマに選んだことがあり、LGBTの方達がどれだけこの日本で「生きづらさ」を感じておられるのか、当時から他人事ではないと考え、LGBTについて理解を深めたいと思っていました。
さらに考えるきっかけを与えてくれたのは、中学時代からの親友です。その親友が、ストレートではないことをカミングアウトしてくれたのは、中学時代よりももっとずっと後のことでしたが、
「思春期の頃は地獄だった」と、その親友に打ち明けられたことは、私にとって、とてもショックな出来事でした。
毎日のようにみんなで楽しく遊んでいた親友の心に、そんな葛藤があったことを気づくことができなかったなんて・・・
親友は、社会人になるまで、ずっと「ストレート」のふりをしていました。なぜなら周りの人たち全員が、ストレートが「普通」だと思っていたからです。
アン・ハサウェイのスピーチのように、当時私たちがいるコミュニティは、確かに、シスジェンダーであること、ストレートであることを中心に物事が回っていました。ランドセルは性別で色が指定され、女子の制服はスカート一択。それが当たり前でした。
そのような風習、思い込みは、大切な人たちを傷つけ、苦しめ続けます。
この問題について、適切な知識がないままに親になった場合、一番大切な存在である子供を、一生苦しめ続けてしまうかもしれません。現に、親にカミングアウトできずに苦しんでおられる方はたくさんいらっしゃいます。
私自身は、それは絶対に避けたいと考え、子供を産むときから、自分の子供がトランスジェンダーや同性愛者である可能性も考えて、子供を観察し、なんでも言いやすい環境や関係性であることを大切に育児をしています。
もし、私たちに関わる小学校、中学校、高等学校、また大学、職場、またその他のすべてが、LGBTQに対する正しい認識を持ち、完全に開かれた、偏見や不平等のないコミュニティであったのなら、きっと私の親友は、地獄のような日々を十数年にも渡り強いられることは無かったはず。
目には見えないけれど、まだまだそこには、壁が存在しているのだと感じます。
私自身は、LGBTQから、SOGIへ、人々の認識が変わっていくことを強く願っています。
SOGI : Sexual Orientation and Gender Identity
Sexual Orientationとは、「好きになる性」のこと
Gender Identityとは、「心の性」のこと。
すなわち、「普通は、異性を好きになる」とか、「普通は、心とカラダの性が一致している」というように、一部のマイノリティを指すような言葉を使用するのではなくて、
「好きになる性」には、人それぞれ、様々な可能性があり、生まれ持った肉体により示される性とは関係なく、「心の性」もまた、人それぞれであるということ。
すなわち、それは「マイノリティ(少数派)」「マジョリティ(多数派)」「普通」「特殊」なのではなく、
そもそもセクシャリティーとは「多様性」があるもので、性格や考え方と同様に、一人一人がまったく異なる「個性」を持っているということです。
そして、すべてが肯定され、受け入れられ、尊重されるべき個性であり、アイデンティティであるという考え方こそが、真の平等なのではないかと私は思います。
なぜ差別やいじめはなくならないのか、ということについても、自分の価値を高め、自分を特別な(特権を得る)存在とするために、他人を下げる必要があるというアン・ハサウェイの言葉には、胸が痛みます。
その神話が人間の本能で在るのなら、私たち人間には、法で縛り処罰を与える以外には、差別やいじめをなくすことはできないのではないかと感じるからです。
どんなコミュニティにも、目には見えなくとも必ず、大なり小なり「ヒエラルキー」が存在します。コミュニティに所属することによって、私たちは必ず、そのピラミッドのどこかに無意識的にも意識的にも埋め込まれ、性別、人種、貧富、外見、学歴、身体能力、役職 etc. 様々なものによって上下が決められるのです。
セクハラやパワハラも、このヒエラルキーの上に、行われ続けています。また国籍、宗教、思想、価値観によって、コミュニティから疎外されてしまうこともあるでしょう。
この思想・信仰は正しく、この思想・信仰は間違っている。この価値観は正義で、この価値観は悪である。白か黒か。正解か不正解かの厳しいモラルや価値観に満ちた世界では、自分の本当に感じていることを発信するのはとても勇気のいることです。(空気を読むことが良しとされる日本の文化では特に・・・)
他人にも自分にも呪いをかける誹謗中傷やヘイトは激化し、ある一部の場所では、殺伐とした空気感が漂っているようにも感じます。
ある宗教が、異教徒に対し戦争や侵略を繰り返し多くの人を迫害し続けたように、
ある人種が、ある時代、家畜のように人身売買され奴隷として扱われ続けたように、
何百年、何千年も、ずっと、ずっと、人間は同じ過ちを繰り返しています。
白人至上主義、ジェンダーが根強く残り続ける世界文化の中では、
性別による制限がある法律や文化の中では、
男性がイニシアチブを握りやすい社会やコミュニティの中では、
特定の人しか教育を受けられない国や環境の中では、
必ず、一部の特定の人は優遇され、一部の特定の人は機会を得ることができず、人類の行手を阻みます。
本来は、誰もが自由であり、平等あるべきだと信じたい。
人と人との間に上下などなく、誰かが誰かをジャッジすることなどできないのだと信じたい。
国籍、人種、性別、性的指向、宗教、外見、身体的なこと。何かによって制限が設けられたり、様々な差異により優劣をつけ、覇権を争い続けるのではなくて、
お互いに対する理解を深め、尊厳を認め合い、お互いに愛を持って歩み寄ることで、
「自分を最大限表現できる世界」を創る第一歩を、すべての人が考え、行動することができることを、
差別的思考が社会においてマイノリティとなり、やがて消滅する日が来ることを、
心から願うばかりです。
そして、その前提となるのは、今、自分自身に対し、あらゆる「制限」を設けていないだろうか。
自分自身に対し、偏見や差別、優劣をつけるようなことをしていないだろうか。
常に、自分自身の個性やアイデンティティを肯定し、すべてを受け入れ、尊重することはできているのだろうか。
と、それを見つめ直すことが、とても重要です。
そして…
今の自分がどうであれ、自分自身に対する理解を深め、受容し、尊厳を認め、愛を持って歩み寄ること。
それがとても大切であると思います。私がカードリーディングや、エステティックトリートメントでご提供したい価値の根底にも、この考えがあります。
ご自分にとっての「最高の状態」が、普通の状態になりますように。
これまで、機会を奪われ続けたすべての人に、機会が与えられますように…
最後までお読みいただき、有難うございました。
MARIA LILY